beginning 2021.1.13-1.20

灯りの暖かいこと。光の輝きが放つもの。

矢印の向き。

炎。その力の無限さ。

山を登るのが楽しみだったはずなのに、その思いもしなかった高さと険しさに、山のことを忘れて、登る辛さをクローズアップする。そうでなく、山のことを今一度考えてみよ。というのも、実は何の解決にもなっていない。

新しい月に祈ること – pray to the new moon.

最初の最後の一歩を踏み出すことにする。

reborn 2020.12.15-12.21

外の世界
熱意を測る装置。どうやら今わたしはだいぶんカッカしているみたい。水の中に飛び込んで、いったん冷やしてみることにする?

ついてゆく。
新しい。混沌。
新しい。

All or nothing 2020.12.08-12.14

標本1:「再生」

自らが見ている視点が全てであるという、ほぼ誰にでも共通にある概念を覆すこと。自らの境界線を改めて引きなおすこと。またはその手段。

The new sound is… 新しい音がする(2017):再生、再構築、リメイク、スタート、新しい、変化、次へ

キュッときつく結ばれた赤い糸は、危ういラインを描きながらどこへたどり着こうとしているのか。

その行方は神のみぞ知る。

キャンドルの灯りをじっと眺めていたら、違う世界に来ていた。それはよくあることで、戻る術も知っているのだけれど、今日は少しだけあたりを散歩してみることにした。知らない場所に、知らない建物、そして知らない人々。彼らは彼らのいつもの世界でいつものように過ごしているのだが、わたしにとっては全く不自然な世界でしかない。ここの常識は、わたしにとっては非常識。あり得ないことが目の前で繰り広げられている。

stars in the sky 2020.11.30-12.07

ずいぶん長い間、あの山には登ったことがなかったのです。いつも麓から眺めるだけで。でも青い街は永遠に日がくれないから、ゆっくり時間をかけて登っても大丈夫だろうと。だから明日は山に登ります。今夜はその準備をしようかな。

クォーツのひとりごと「楽譜も天使もあまりにも歌声が美しすぎるから、演奏しながら寝てしまいそう…」

sing with angel。楽譜が歌う。あまりにも綺麗な声に、天使がやってきて、一緒に歌い出しました。それはまるで雲の間からさす光のような、すうっと降りてくる、でも柔らかくてあたたかいハーモニー。クォーツもいつの間にかそばにいてキラキラな伴奏をしはじめました。音の粒はガラスの漏斗を伝って、よりいっそう響き渡り、この部屋いっぱいに満たしていきました。

話しこんで時間が過ぎるのもわからず、気づけばきっと今は真夜中。周りが静かすぎて、わたしたちだけが起きているは明らかだった。キャンドルはあと少ししか残っていない。逆に積もり積もった話はずいぶんな高さになっていた。

標本2:「change」

『変化』 … たまご、幼虫、さなぎ、成虫。

昨日、焼きそばを作って食べた。
今日の遅刻。
明日は発熱、インフルエンザを発症する。

The new sound is… 新しい音がする(2017):再生、再構築、リメイク、スタート、新しい、変化、次へ

ミルクを温めようとしてうっかり吹きこぼしてしまうことは、よくあること。
パンが知らぬ間にかじられていることは、よくあること。
メガネをしたままお風呂に入ってしまうことは、よくあること。

すっかり街の人、といった風に、この頃石畳の上しか歩いていない気がする。踏み締める草の香りや、木々がサワサワおしゃべりする音、水辺の緩い土手、会っていない。小さく遠くなってしまっているわたしは、ちょっと見えにくい。

今日はどれを使おうかな。

answer is 2020.11.12-11.29

扉を開けた向こうには、静かな空間が存在した。暗すぎることもなく、かといって明るすぎることもない、ちょうどいい光と、かすかに流れる風。しかし、何よりはっとしたのは、その風にのって漂っていたハーブの香りだった。

新しいクッションは古い布をつぎはぎしたもの。もっぱら最近はそれを抱え込んでウトウトしている。ガサガサの毛布とオンボロのソファ、そしてこのクッション。ずいぶんと寒くなったこの頃の仲間たち。窓からの光は薄いカーテンを通してさらに弱くなる。またすぐに夜になる。

question 2020.11.15-11.21

tea set?

ちゃんとしたお茶と、綿飴をちぎって丸めたもの、お茶を飲む前に唱える変な呪文が書き記された紙。

ケーキはにんじん。プリンはかぼちゃ。北へ向かう道はチョコレートで埋め尽くされている。

bubble has burst

1年ほど前からある不思議な場所。外からは中の様子があまり伺えない。重そうな扉。思い切って明日は開けてみることにする。

キッチンの棚の中は空っぽだし、手紙を書きたいがもう便箋も切れている。そういえばインクもほとんどなかったな。新月の漆黒をインクに足したいから、新しいものを買いに行っておかないといけない。

go to the moon 2020.11.08-11.14

永遠に観光客のような気がする。

自転車に乗って少し遠くまで。大好きなチーズケーキを買いに。焼き上がりの時間を知っているから、それに合わせて行く。同じような人たちがいて、店の前はちょっとばかり人だかりができている。なんとなくみんな知り合いみたいになっていて、ご挨拶してみたり。

小さな、しかし偉大なる友…わたしはずっとひとりぼっちでした。屋根裏に積み上げられていた本を持って降りてきては読み、おばあさまが使っていたというキレイな絵の具で絵を描いて、近所のお菓子屋さんでキャンディを袋いっぱいに詰めたりしましたが、誰とも話すことはありませんでした。わたしはある夜、思い切って月に話しかけてみました。「ともだちがほしいのです」と。わたしが月にお願い事をしたのは、後にも先にも、あの時一度きりです。次の朝、わたしは枕元でする小さな声で、目が覚めました。「おはよう。おはよう」小さな小さなイエス様が、わたしに呼びかけていました。

with him (her?)

美術館から家に帰ってくるのに道に迷ってしまい、たどり着くのに一週間近くかかってしまったようだ。たまった郵便物の量でそれを把握する。久しぶりな感じで少しだけ家とのぎこちない雰囲気があったけれど、窓を開け放し、いつものお茶をいれて、いつものおやつを一つジャーから出したら、だいたい元どおりになった。

new cycle 2020.10.31-11.07

暗闇の中の揺れ3/3
暗闇の中の揺れ2/3
暗闇の中の揺れ1/3

ほぼ人のいない美術館は、意外に賑やかで、いろんなものに耳を澄ませるのがおもしろい。しかし昨日夜更かししたわたしは、聞いているふりをして、実は寝ていた。そんなのバレていただろうけど。

herbal days 2020.10.23-10.30

朝になったから、そろそろ眠ろうとベッドにもぐりこんだ。次、目を覚ますのは、15日後。真っ暗闇がトントンと窓を叩きにくる。月はすっかり消えているだろう。

Q&A … のその後
いろいろ問いかけてみたものの、結局、夜更けからの答えはなかったので、僕(ペンギン)は、自分で調べてみることにした。僕はとてもとてもたくさんの本を読んだ。その読み終わった本で、部屋がどんどん埋め尽くされるくらいに。しかし、どれだけ本が積み上がっても、どれだけそこで眠ったり、そこで食べたりしても、答えだけはいっこうに、見つからなかった。積み上げられた本の隙間に見える、透き通った蒼い天井から、外の世界を想像する。まだ触れたことのない、その空気はどんなものなのだろう? そして、そこには、ここでは見つからない答えがあるのだろうか? もうそろそろ、僕は外に出てもいいのかもしれなかった。この部屋は完璧に安全で美しく、限りなく居心地のいいものだ。けれど、きっとここだけでは、僕の何かが欠けたままで、そしておそらく探している答えも、見つからない。しかしここから出るには、このキレイな部屋を壊さなければならなかった。もちろん、壊れた部屋は、もう二度と元には戻せない。そう、僕は、まったく初めての新しい場所で、一人立ち尽くすことになる。でもそれでよかった。ここでだって、もうずっと長い間一人だったのだ。僕は棚に大切に置いてあった「開きの石」をつかんだ。そしてそれをギュッと力強く、握りしめた。

in the knowledge dome

「ついておいでよ」と言われて、そのままに緑奥深く。初めて会った人だったから一瞬躊躇したけれど、彼の右手の人差し指に描かれた模様の意味をわたしは知っていたので、この人の導きに従うしかなかった。そろそろ知らなくてはいけない。それはわかっていた。でもここまでわたしは伸ばし伸ばしにしてきた。きっとあの湖の水は相当冷たい。そしてあまり透明度が高くないから、先がよく見えない。わたしはかなりの怖がりだし、泳ぐのだって全然得意じゃない。できることなら、くるりと向きを変えて家に帰りたい。そうだとしても、人にはどうしたって避けられないことが一つや二つはある。その一つがどうにもこうにももう目の前にやってきてしまった、ということ。

明日はお届けものを持っていく日だ。今日は1日かけてその準備。

ブラックマローの湯船の中。微かに香る部屋。

rabbit’s dance

new world 2020.10.17-10.22

大きな二羽の鳥が窓辺にやってきて、大きな声でおしゃべりをしている。こっちのことにはまったくお構いなしで。近頃この辺りで話題になっている新しい靴屋のことを言っているが、あなたたち靴いらないよね?と、思うのだけれど。

I am studying

お勉強している、らしい。

books in

メンテナンスの日。電車とトラムを乗り継いで、治療院へ。受付の女の子はいつものように静かな笑顔で迎えてくれ、今日のわたしにどんな治療が必要かを、組み立てる。彼女は話しながらも的確で無駄のない動きをし、温かい(治療の前に飲んでおくべき)お茶を出してくれた。前回の治療から自分の様子がどうだったかを彼女に話し、先生に呼んでもらうまで待つ。いや、どちらかというと、先生が治療室で、この一連の前作業が終わるのを待っている、という感じ。

しばらく離れていた家に戻ると、すっかり季節は移り変わっていた。誰もいない間に回復し、改めて新鮮な香りを漂わせた部屋は、まるで引っ越してきたばかりの時のようだった。新しいのに懐かしい、今まで何度となく触れた気配。目を瞑って「ただいま」と言ってみる。もう少しだけ、今度はここで休息させて欲しい。

Invisible friend 2020.10.10-10.16

招待状が少し前に来て、それに「欠席」と返信したはずなのに「ありがとうございました」とチケットがさらに届いた。誰かのパーティーらしい。そういう賑やかなところは勘弁して欲しいから、行くつもりはなかったけれど、その日になったら「お迎えにあがりましたよ」と今度は車が家の前につけられた。

angel in the photo

広い庭で散歩。朝、多めに作ったハーブティーを水筒に入れて、途中のパン屋でパンをひとつ買ったのを持って。ゆっくり歩いたらいくらでも時間が費やせる。時々大きなオブジェがあって、なんとでも考えられるようなその姿を眺めながら、この間見たときとは違っていますね、と話しかけてみた。あなたが違って見えるのだけれど、それはおそらくわたしが違っているからなのだろう。ベンチに座ったら、少しだけぬるくなったお茶をコップに注ぎ、そっと飲む。パンも焼きたてからは冷めちゃったから、湿度を持って柔らかくなってしまった。それでも、このお気に入りの一品はいつもどおりおいしかった。風がさっと吹いてきて、パンの包み紙が飛んでいきそうになる。太陽はその光を力強く注ぐ。また今度来た時も、オブジェが変わって見えるといいな。

Q & A

夜更けに向かっていろいろ質問してみる。

見えない友達がやってくる。何人か集まったところで体操。少し前にケガをしていたわたしは長い間身体を動かしていなかったので、あちこち痛くて仕方がない。見えない友達は、見えないから、体操しているのかどうか、いまいちわからないが、時々カサカサ音がしたり、テーブルにゴンとぶつかったりしているようなので、まあ、しているのだろう。体操の後走ってみようか?と、言われたが、とんでもない!と断った。

Invisible friend

Diary 2028.13.39。誰かの旅の上映会。その旅先の記憶をたどる食事と、現地で買ってきたものの販売。

いくつもの郵便物がポストに入っている日。ポストからはそれらが溢れていて、しかしその景色はうれしい。定期的にやってくるもの、初めてのもの、ひとつひとつ封を開けて確かめる。音楽、花、本…、そして誰かからの大事な手紙。気づけば部屋は、言葉と音と香りでいっぱいになっていた。

at night

長い時間、家にいたい。

in the morning

autumn has come 2020.10.02-10.09

朝からもめている。久しぶりに集まった数人で囲む朝ごはんのテーブルは、足りないクロワッサンを誰が買いに行くかで、あまりいい空気が漂っていない。わたしはコンロの上のフライパンから離れられないし、ふくろうはコーヒーをドリップしている。ウサギだって摘んできた花を飾ってくれてるから、何もしていないのはパンダだけなのに、彼はごろごろ寝そべっていて、いっこうに動こうとしないのだ。

窓からちょうど中庭を挟んで見える向こうの家には、5人姉妹が住んでいて、その姉妹はだいたいみんな3ヶ月くらいずつ歳が離れているということだ。

見かけた植物がなんなのか、本棚に並ぶ図鑑を手に取って調べてみる。古い古いこの本はいつからここにあるのだろう、読めない言葉がちらほらある。そして絶対今存在しない植物も載っている。でも、わたしは持っているんだな、なぜかひとつ、その存在しない植物の種を。

in the garden vol.3

散歩の段取り。地図を広げて道をたどる。知り尽くしているようでも、知らないところがいまだにある。明日はそこを通ってみよう(果たして通れる道なのか)。帰り道は寄り道。やっぱりあのカフェでひと休みしたい。

朝ごはんは、りんごとヨーグルト。

今度はわたしがかくれる番だよ。君は本当にかくれるのも見つけるのも下手だから、このまま明日になってしまうかもしれない。

rain 2020.09.25-10.01

lemon and honey

まだまだ早い。はちみつと。

教会の展望台に登ってみた。後少しで閉館時間だったがまだ明るかった。もう分厚い上着を着なくては外を歩くことなどとても無理だったし、ワインも皆温かくして飲んでいた。グルグルにマフラーを巻いて、テラスでおしゃべりしている様子が上からよく見える。知らぬ間に雨は止んでいて、雨宿りをしていた鳥たちももう何処かへ行ったようだ。誰もいないここから見える街は、束の間わたしだけのもの、みんなが親しい人に見える。

窓から見える景色。

郵便ポストをのぞいてみたら、遠くからの手紙。ぐしゃぐしゃになった封筒が長旅を知らせてくれる。かわいい小さな文字で書かれたわたしの名前と住所。封を開けたら、中にはこれまた小さな神様が入っていた。

定期的な訪問。また今日も雨だったが、まさにもう止もうとしていた。知らない道が現れる。この間来た時は見えなかったのに。

今日も雨が降っている。港に船が着くからと、見に行った。霧のような雨は風に吹かれて舞い、傘はあまり意味をなさなかった。海の湿気も合わさって、ほとんど水の中だった。船から人が降りてきた。しかし待ちわびた人はいなかった。

harbor

雨が止んだその隙に出かけることにする。次に降ってくる前に行き先にたどり着けばいい。少し冷えた空気の中、向かうのは図書館。たくさんの本を抱えてまた雨が止むのを待つ。

雨が降り出した。雨宿りをさせてほしいと訪れたのは。

almost every day 2020.09.17-9.23

ヘタなテニスの練習。

I play tennis every day.

昨日はそんなこんなで一日遊び呆けていた。ケーキを食べ過ぎて、お酒をちょっと飲み過ぎて、笑い過ぎた。

お客さまがめずらしくやってくるので、そのための準備、いろいろ。彼女が好きなケーキを買いに行き…、ソファには洗ったリネンをかけ…、新しくブレンドしてもらったオイルを焚く…。音楽もあのレコードで。いい雰囲気ってどこからかこぼれ落ちるんだろう、外から蝶が入ってくる。いいよ、そこで踊っていてくれて。彼女はきっとあなたのことを気にいるよ。

目が覚めたら朝だった。いつから寝ていたのか。それよりまず今日はいつなのか。

she loves cushions

Your bubble 2020.09.010-9.16

星がよく見えるようになったら、再び出かける準備をする。

しばらくぶりのピクニック。いつも一人、今日ももちろん一人。ちょっとおいしいお弁当と何回かつまみたくなるおやつ、飲み物を少し。かわいいクロスに包んで、お気に入りのカゴに詰め、最近ずっとしているサングラスをかけたら、また夕方にね、と部屋に告げる。

その朝、静かなこの建物の中にいた。わたしの他には誰もおらず、どうやら問いかけてもよさそうだったので、ひとつだけ質問してみることにした。

in the morning

Mr.ColorとMrs.Colorのところに行って、倉庫へおじゃまする。新しく届いた荷物があるみたい。棚に所狭しと並ぶ小物をゆっくりと一つ一つ見ていると、Mr.Colorがまだまだ小さな赤ちゃんと飲み物を抱いてやって来てくれた。ちびっこの飲むミルク、わたしの飲むソーダ、そしてMr.Colorの飲む、変な味のするお茶。わたしはそのお茶がどうにもこうにも好きになれないのだけれど、彼は絶対1日一回このお茶を飲む。少しずつ少しずつ惜しむように飲んで、そしてこのお茶がなくなる頃にまた仕入れの旅に出る。このお茶のために旅に出ると言っても言い過ぎでないくらい。

they are talking about their bubbles …

チラッとこちらに振り返った茶色いウサギは、明らかに微笑んでいて、置き土産のことを聞いてみたかったのに、なんだかそんなことなど、もうどうでもいいような気にさせられた。触るとあっさり壊れてしまいそうなその花びらを、わたしは眺めることしかできなくて、あとの続きは想像の中でのみ進む。次への一歩は、もう季節が移った証拠。それは決して止めることはできない。

September 2020.09.02-9.09

手紙を出しに郵便局まで。その帰りにアイスクリームを買う。小さなテントのアイスクリーム屋さんはまもなく今年の営業を終える。次の街へ旅立つそうだ。また来年。

今週はお店に人がたくさん来た。久しぶりの人は新しい商品を持って、このところ続いている人はいつもパンを持って、と、みんな、何かしら携えて。店はなんだかにわかにモノが増えて活気が出て、ちょっと分厚くなった。お客さまには、いつものように店に並ぶ3種類のお茶から好きなものを選んでもらい、それをいれた。お茶を片手に、カウンター越しに話す。相手の後ろに並ぶ窓の向こうには外の景色が見える。それは、話す人によって、色々違うものになった。山が見えたり、ドライブしていたり、時には過去を遡ったり。それをぼんやり眺めながら、わたしは次に自分が行く場所、することを選んでいるような気がした。

ブレイクスルー。

小さな巨人が「自分の新しい料理の試作を食べてみてくれないか」と家まで持ってきてくれた。お茶をたくさん入れて、ほんのり温かくしながら、少し話す。いくつかある椅子をあれこれ座り変えながら、彼女はその新しい料理について説明してくれた。何が入っているか、どんなところに工夫したか。一口食べてみたけど、それは想像したよりもかなり美味しかった。入っているものより、工夫より、彼女はもっと素敵なスパイスを自分自身に持っている。

夕方そっと抜け出して森まで行ってみた。緑が濃くて、薄暗かった。ほんの少しだけ泳いでみようと、湖まで行ってみた。

peach 2020.08.26-9.01

新しい椅子が届く。ひとりのための。古い椅子はリペアしてみる。うまくできるかはさておき。このところ、頭より手先を動かしてばかりいる。というよりも、頭が働いていない。よく冷えたお茶をコップにたっぷり入れて飲み干した。パンはオーブンで少しだけ温めて、チーズを挟んだ。日が暮れるのが待ち遠しく、キャンドルの灯りをつけるのがうれしい。いろんなことを準備して、新しい椅子に座ってみる。

クッションカバーを縫った。少しずつ部屋の色を変えていて、今のものが合わなくなってきたからだ。カバーと一緒に小さな袋もまた縫う。なかなか思うものにならないから今日のものは途中で終わる。

教えてもらったレシピでイチジクをサラダに。まだよく寝ている。起きている間は小さな袋を縫っている。小さな歌を入れるためのもの、小さな祈りを入れるためのもの。小さな瓶には内緒話を詰めてみた。それも袋に入れておこうかな。

たくさん寝た方がいいということで、眠ることにしました。起きたら食べようかな、イチジク。冷やしておきます。

再び勢いよく雨が降り出した。

a lot of books 2020.08.19-25

交渉、オマージュ:わたしはノッチョーラが欲しいと言ったけど、彼は今日のおすすめはストラッチャテッラだからと言って、それを売りたがる。とってもいい感じのチョコができたからだそうだ。お客が欲しいものを買えないってどういうこと?と言いながら、ストラをもらうことにする。

sometimes

映画館の帰り道、食べきれなかったポップコーンを少しつまみながら、いろんなことを思い出してみる。話かどうこうというよりは、部屋に置いてあるものがどうだった、とか、食べていたものがなんだった、とか、こんな服を着ていたな、とか、そういうことばかり。信じられないくらい忘れっぽいわたしは、断片的な色彩で構成されている。振り返ると鳩がずっとついてきてたから、ポップコーンをあげることにする。

しばらく休んでいた(ようだ)ドリンク配達が復活して、また今朝ポストには、今日のジュースが入っていた。朝の楽しみ再び。まずスイカから。

二階に溜まった水は、やがて階下に染み出した。

 … Je voudrais une chambre avec une belle vue… 待ちわびた郵便物がポストに入っていた。太陽をめいっぱい浴びて、封を開けるとそれはポカポカ暖かかった。小さな走り書きのメッセージと共に、また彩りがひとつ増える。目の前の景色は変わり続ける。彼女は美しい、のではなくて、あなたが美しい。

この部屋の散らかったテーブルの上にはまだ読みかけの本があり、そのどれもがハラハラとその断片をまき続けていた。それらはうっすらと、部屋の中に積もっていき、あちこちを覆っていった。わたしは慎重に指ですくいながら、その小さな粒のようなものをじっと眺めてみた。それは物語の一部であったり、写真の温度であったりしたが、中にはよくわからないものもあった。

chaos again

再び混沌の中からお届けします。皿の上には桃といちじくとぶどうが盛られていて、好きなように食べていいそうです。どれか選べと言われても、けっこう悩みます。隣の部屋から聞こえてくる音楽は好きな感じで、タイトルを伺いに行きたいくらいです。クマとウサギが並んで座っていて、仲良さそうに見えるけど、クマは実はウサギのことが怖いっていうのは、最近まで知りませんでした。

tall and short

背の高い人がしゃがみ、背の低い人が万歳をしている。だいたい同じ感じ。