herbal days 2020.10.23-10.30

朝になったから、そろそろ眠ろうとベッドにもぐりこんだ。次、目を覚ますのは、15日後。真っ暗闇がトントンと窓を叩きにくる。月はすっかり消えているだろう。

Q&A … のその後
いろいろ問いかけてみたものの、結局、夜更けからの答えはなかったので、僕(ペンギン)は、自分で調べてみることにした。僕はとてもとてもたくさんの本を読んだ。その読み終わった本で、部屋がどんどん埋め尽くされるくらいに。しかし、どれだけ本が積み上がっても、どれだけそこで眠ったり、そこで食べたりしても、答えだけはいっこうに、見つからなかった。積み上げられた本の隙間に見える、透き通った蒼い天井から、外の世界を想像する。まだ触れたことのない、その空気はどんなものなのだろう? そして、そこには、ここでは見つからない答えがあるのだろうか? もうそろそろ、僕は外に出てもいいのかもしれなかった。この部屋は完璧に安全で美しく、限りなく居心地のいいものだ。けれど、きっとここだけでは、僕の何かが欠けたままで、そしておそらく探している答えも、見つからない。しかしここから出るには、このキレイな部屋を壊さなければならなかった。もちろん、壊れた部屋は、もう二度と元には戻せない。そう、僕は、まったく初めての新しい場所で、一人立ち尽くすことになる。でもそれでよかった。ここでだって、もうずっと長い間一人だったのだ。僕は棚に大切に置いてあった「開きの石」をつかんだ。そしてそれをギュッと力強く、握りしめた。

in the knowledge dome

「ついておいでよ」と言われて、そのままに緑奥深く。初めて会った人だったから一瞬躊躇したけれど、彼の右手の人差し指に描かれた模様の意味をわたしは知っていたので、この人の導きに従うしかなかった。そろそろ知らなくてはいけない。それはわかっていた。でもここまでわたしは伸ばし伸ばしにしてきた。きっとあの湖の水は相当冷たい。そしてあまり透明度が高くないから、先がよく見えない。わたしはかなりの怖がりだし、泳ぐのだって全然得意じゃない。できることなら、くるりと向きを変えて家に帰りたい。そうだとしても、人にはどうしたって避けられないことが一つや二つはある。その一つがどうにもこうにももう目の前にやってきてしまった、ということ。

明日はお届けものを持っていく日だ。今日は1日かけてその準備。

ブラックマローの湯船の中。微かに香る部屋。

rabbit’s dance