new moon 20230915

約束の時間に約束の場所へ行ってみたけれど、そこには誰もいなかった。 / こっそり話した願いごとは、やはり誰にも届かない。 / ほんのりと温かい甘い甘いスープ。 / 彼女があくびをする時。 / かばんの中から古い手紙を取り出して読み返す。もう幾度となく手に取られた便箋は、すっかりくたびれよれよれになってしまった。それでもそれを読む時、再び同じ感情が呼び起こされる。 / 約束の時間はわたしがひとりで勝手に決めたもので、約束の場所もわたしがひとりで勝手に決めたものだった。相手からはなんの返事もなかった。それはもちろん、約束とは到底言えないものだった。2023.9.15

throwing it all away

カフェから少し離れたパーキングに車を停めて歩く。日差しはやはり強く、露わになっている腕や顔はただただ痛かったけれど、風が結構吹いていたので、暑さはなんとか耐えられた。ここに最後に訪れたのはいつなのだろう、昔すぎて思い出せなかった。

welcome to the real world

welcome to the real world

before after

少し前の景色
ようやく季節が動いたということ

a cup of tea

コップ一杯の水では足りない。
今日は風が強くて、思い通りに進めない。

many many stories

積み重なった物語は、永遠に改ざんされ続けている。
断片的な記憶、忘れてしまいたいこと、願い。
美しい景色、残酷な答え。

new4

わたしは温かい紅茶を、ヒツジは冷たいコーヒーを頼んだ。ランチタイムを過ぎたカフェにはあまり人もおらず、少し落ち着いた時間を過ごせそうだった。わたしは窓のそばの明るいソファ席に座ろうとしたが、ヒツジが眩しいのは疲れると言ったので、窓からいちばん離れた奥のテーブルを選ぶことになった。

ひさしぶりに顔を合わせたわたしたちは、具体的な日々の事柄を報告しあうような会話を続けた。ただ表面的には穏やかに流れる時間の中に、もう一歩踏み込みたい、その具体的なものの中になにか抽象的なものを見つけたい、そんな願いに近いものを、わたしは了見のせまい手でじんわり握りしめていた。

ヒツジがふとしたときに見せる仕草に、すぐにでも消えてしまいそうなくらい弱々しい光を感じて、わたしはこの人への想像をエスカレートさせてきた。いつこぼれ落ちるかもわからない小さな星の欠片を、注意深く観察し、熱心に集め、なんとか自分に絡ませようとした。そうすることでヒツジの中に自分と同じなにかを見ようと、いや見えると、思っていたから。

わたしの残った紅茶はすっかり冷めて、ヒツジの飲み干したコーヒーのグラスは氷が溶けて水だけになっていた。わたしの願う、光のようなものを並べてふたりで眺める、そんな時間はもはや残っていなさそうだった。でも、わたしは諦めが悪かった。ケーキ食べたくない?、そう言って、もう少しだけ可能性の糸を探そうとした。その時ヒツジの表情の中に一瞬翳りが見えたことに、とてつもなく傷ついたにも関わらず。

new3

new2

new1

fig and I8ū6

いつかと思って冷蔵庫に入れられたいちぢくは、わたしの向き合っていない日々に熟されて、もうすっかり食べ頃など過ぎてしまっていた。

rain

雨が降ったので、一回休み。

jam

ジャムの話。もも、いちぢく、マンゴー。

I eat

わたしはパンをトースターで焼いていて、彼女はベッドに潜っていた。小さなキッチンはいい匂いに満たされていく、彼女は布団の中で一緒に眠る生温かい猫の香りを満喫している。

time flies

流れている時間の違いに

20240624

静物画。

アラームをセットした朝。その時刻より前に目が覚める。すでに曖昧になりつつある夢は辿ることがないまま、ベッドからのそのそと出る。ぼんやりしていたら、いつものようにお茶を出し過ぎてしまった。ぬるくて苦い。なんのせいにするのか。

2023062202

それだけの目の前

2023062201

ごちゃごちゃしている。
そのとおりでそのとおり。
現実。

Night On The Milky Way Train

おそらく外では雨が降り出して、ドアの隙間から、ひんやりとした湿気を含んだ空気が入ってくる。窓ガラスの向こうに見える緑は細やかに揺れていた。雨粒は不規則な模様を葉の上に作り、小さな風がそれらを次から次へと落としていく。部屋の中では、彼らが整然と並んでいた。丁寧な言葉遣い、相手を慮る態度は、絶妙な違和感を生み出した。見慣れた景色だった。

narabitai