wine makes

彼がいつになく饒舌なのは、グラスに入ったワインのせいだ。今日は朝から暑くて、屋根の下で過ごしていてもその日差しの強さはじりじりと身体に感じられた。天気予報は雨だった。だから静かにそっとした会話をしようと思っていたのに、こんなに晴れては、段取りもなにもかも狂ってしまった。陽気な太陽の下でのお酒は、おしゃべりをやや深掘りさせた。ひょっとしたら言わない方がいいかもしれないことを、彼はさらさらと話した。そして同じようにわたしにも話すよう求めた。わたしはアイスティーを飲んでいた。できればそんな話はしたくなかった。