start of journey 10s

(net_sc_day 11)ランチの時間、レストランは混み合っていた。魚を選んだが、魚が隠れてしまうくらいのジャガイモで皿は埋め尽くされていて、さらに大きなパンもサーブされ、少々おじけついてしまった。しかし、いったん食べ始めると、そのじゃがいもも魚(サーモン)も知らないレベルのおいしさで、その初めての味に、お腹のことは置いてけぼりになるくらい食べ続けてしまった。

start of journey 10

(net_sc_day 10)ハーバーには誰もいなくて、とても静かだった。朝早かったし(でも海って朝から出たりしないのかしら?)雨も少し降っていたからかもしれない。コーヒーとサンドイッチを持ってきたけれど、ベンチは濡れていた。ゆっくりできそうなところも見当たらなかった。とりあえず来た道を戻り、美術館へ行くことにした。

start of journey 09s

(net_sc_day 09) あたたかいお茶は、緊張した身体を緩めてくれた。列車の中は充分暖かったが、それでも自分のお茶は、やっぱり芯から温め緩めてくれる。落ち着いたら少し散歩しようかな。

start of journey 09

(net_sc_day 08)けっこうなひどい頭痛は、ここの高さのせいだ。それでも、この景色にわたしは浮かれて仕方がなかったし、ここまで引きずってきた荷物がぎゅうぎゅうに詰まった重いトランクも、今ではかわいい相棒に思えた。しっかりと月は満ちた。それは夜には見ることができるかもしれない。次、どこで停まるかも知らないけれど。

start of journey 08

(net_sc_day 07)ずっと前にもらってそのまま開けていない石鹸がひとつ。ふらっと立ち寄った雑貨屋で思わず気に入って買った練り香水がひとつ。小さなポーチに入れた。雨はまた降ってきていて、ほんの少し先さえも、真っ白で見えなかった。

start of journey 07

(net_sc_day 06)雲の合間から見える飛行機を追いかけながら、わたしの行き先を予想する。しかし、わたしは列車での旅だった。いくつの国を渡り、パスポートにはいくつスタンプが押されてゆくのだろう。月はずいぶんと膨らんだ。

start of journey 06

(net_sc_day 05)パンの焼ける香り。数軒向こうにあるベーカリー。それは朝の始まりの合図で、わたしは夜のつまみに食べるパンを買いに出る。管理人さんはランチのサンドイッチのためのパンを頼むと言っていた。新しい部屋ができていたが、扉が開けっ放しになっているにも関わらず、誰も使っている風ではなかった。良さそうなところなのに。

start of journey 05

(net_sc_day 04)知っている気配である。具体的な景色が浮かぶことの多かった以前に比べて、抽象的であるけれども、もっと広く、深い範囲の気配を、しかし明らかに知っている気配を、感じることが多くなった。それは過去のもののようでもあったけれど、でも未来のものかもしれなかった。どちらにせよ、馴染みのあるものから受け取るものは多く、わたしはとても安心した。

start of journey 04

(net_sc_day 03)日はなかなか昇らなかった。朝は暗い中で食べ、昼もキャンドルをつけて食べた。こんな日は彼女はもう起きてこない。雨の日もそうだ。

start of journey 03

(net_sc_day 02)ほんの少しの期間の休息(冒険かもしれない)の、共にするお茶を袋に詰める。いくつか、好きなものを、そして好きでないものを。自分にフレンドリーなものばかりが自分を広げてくれるわけではない。自分にフレンドリーでないものほど、知らない自分発見になったりすることが多々あって。

start of journey 02

(net_sc_day 01)管理人さんにはしばらく出かけることを一応伝えておいた方がいい。またなんだね、といつものように薄ら微笑むのだろう。空の雲は次への一歩を示している。ほぼ矢印に見えるくらいに。

start of journey

(net_sc_day 00)ポストに届いた封筒の中には、列車のチケットが入っていた。ただ、行き先はどこにも書かれていなかった。そういうことは、ちょくちょくあった。というよりも、ほぼいつもそうだった。突然、出発は促された。今にも雪が降り出しそうな冷たい日。しばらく屋根裏にしまわれていたトランクを、わたしは引っ張り出してこなくてはいけなくなった。

coffee aroma

ふたたび病院の待合室。窓の外はずっと雨が降っている。その景色を眺める間もなく今日はあちこちに呼ばれ、聞かれ、話す。行ったり来たりする中で、何度も前を通るコーヒースタンド。

blow bubbles

たくさん日を浴びたので、シャボン玉の中で休むことにする。彼女はシャボン玉を作るのが上手だから、それらはその辺にしょっちゅう浮かんでいる。わたしはいつも似たような形のものを選び、その中で眠る。そして同じような夢を見て、同じような目覚めをするのだ。

rainy day

出かけた帰り道、雨が急に降って来た。

peaches

眩しすぎる日差しから隠れるように小さくなっていたらいつの間にか眠ってしまっていた。うたた寝ほどの時間、夢をさっといくつか過ごして、重たくぼんやり目覚めてゆく。なんてことない日。今日もまたよい日。

afterglow

昼と夜の境目に向かって歩いている。ちょうど次元の狭間でもある今ここで、見えそうな景色に目を凝らし、空と雲の間をかき分けてゆく先は、背中の闇にも支えられた、より現実に近い世界。

lunch time

なすとズッキーニは食べやすい大きさに切って、揚げて浸して。冷たいソーダ水と一緒に。食べ終わったら片付けもせず、彼女が昼寝している横で、わたしも寝ることにする。

question 2021

その後、答えは見つかったでしょうか?

windy

強風注意報