the window

小さな願い事をそっと口に出してみるけれど、開かない窓に跳ね返される。外に見えるあの木に触れたくて手を伸ばそうとしたが、それは届くことがない。雨が激しく降って雨粒が窓についていく。守られている側から眺める景色の大きな安心感。願い事はほんとうは秘密にしたかったから、そのまましまっておく。