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部屋の窓はまだほとんど閉じられていたが、新しい季節がその隙間からそっと入り込んできていた。郵便物を取りに外に出たら、馴染みのあるあのちょっぴり悲しい生温かさとチリチリする砂混じりの風を、まったくの無防備で思い切り浴びてしまう。思わず眩暈がして、しばらくその場に立ち尽くした。