ここできのう見た夢について話したときのこと/長距離バスに乗って移動するということで、切符を買いに窓口まで行き、そこで上から三番目に書いてある行き先を選ぶことにする。文字は読めるので、全くどこへ行くのかわからないというわけではなかったけれど、到着までにどれくらい時間がかかるのか、どのような道を通っていくのかは、まるで想像ができなかった。ただ馴染みがないというのはわたしだけの話で、バスの中にはたくさん人が乗っており、きっとそれぞれにその先々に既知のものがあって今ここにいるに違いなかった。こんなあやふやにおろおろと、これからのドリンクとおやつのことくらいしか考えていないわたしのような人はほかにはいないだろう、と、自分のかなり気楽な手荷物を見ながら思った。
