lemon cream tart

レモンクリームのタルトは、すっぱくて甘くてずっしりと重さ。その鮮やかな浮かれた太陽には、しあわせと呼ばれるものがみっちり詰まっていたが、それはわたしのどこかおぼろげなところから、チクリとする痛みを引っ張り出す。

刺さった針を抜くために、お茶を何煎も重ねた。しかしどれだけしっかり濃く出しても、その痛みはまるで消えなかった。そこには暗くて苦いお茶の入ったカップが、ただただ並んでゆくだけ。