No.45 – Everything is white of snow:雪を入れるための袋
… 夜のうちに降り積もった雪は、その次の朝、眩しい太陽に照らされてキラキラと光る。
少しずつ溶け始める雪の中で、こんもりと山が残る場所がある。
しかしそれは毎日でもないし、いつも同じ場所でもない。
ただそれを見つけたら、そっと近づいていき、そっと触れてみること。
真っ白な布のカケラが雪の合間から顔を出すから。
雪の布を拾い上げたら、わたしはいつも街外れに住んでいるロエミのところに持っていく。
ロエミほど消えそうに微かな人は他に知らない。
そんなロエミはこのあたりで雪の布を扱える唯一の人だ。
向こうの景色が透けて見えそうなロエミの手のひら。
そこにのせられた雪はスルスルと、そしてハッキリと形を作り出す。
それはまるで魔法のようで
わたしはいつもただただ見惚れているだけ。
今日の朝生まれたばかりの真っ白な雪の布は
そんな風にまた誰かのためのものになるための準備をする。
そしてわたしは
その形になったものを誰かのもとへ届ける準備をしよう。
SC – STANDARD ITEM:(受注製作、定番品です)
真っ白なリネンのバッグに黒い糸でランダムな手刺繍を施しました。
それはまるで下手な色ぬりのようなグズグズグズ…と描かれた糸の線。
大きさ:39cm × 42cm 持ち手47cm
SOLD