without you

彼女が一人で病院へ行くのは嫌だというので一緒に行くことになった。病院は決して近くなく、バスを乗り継いで乗り継いで、最寄りのバス停からも歩いて歩いてたどり着く。具合の悪い彼女にはちょっとかわいそうなことだった。さらに今日は雨もしっかり降っていた。冷たく寒く、周りの景色もうっすらぼやけていて何もかもがとらえづらく、わたしもなんだか気が遠くなりそうだった。公園の前を通り過ぎる時、中からボールをつく音が聞こえた。でもどこを見渡しても人の姿などなくて、ぽんぽん、という音だけが鳴っているのだった。「こんな雨の中よくボール遊びなんてするよね」と彼女が言った。