she is a prisoner

囚われの身になった場合:
「天使をつかまえたから、見においでよ」とお茶会に誘われる。そこで目にしたのは、確かに羽を持った小さな人のような存在だった。閉じ込められたその様子に「なんてことを…」と気分が悪くなったのだけれど、その言葉は口に出さずにいた。ただ不思議だったのは、その羽の生えた小さな存在はほんのりと笑みを浮かべていて、そしてふんわりと揺れて軽やかで、そう、とてもその状況を嘆いているふうには見えなかったこと。ああ、天使がなぜ天使なのか。その所以を垣間見た気がしたのは、おそらくわたしの勘違いではないだろう。