管理人さんに留守番を頼まれた話/急に出かけなければいけなくなったからほんの少しの間ここの番をしてくれないかな、すぐ帰ってくるから、と言われて、断ることもできずわたしはそこの小さなカウンターの内側に隠れるように座った。今日は休みで比較的人通りも少なく、たぶん誰もやってこないだろうけど、それでもぜんぜん落ち着かなくて、ずっと時計ばかり見ていた。おもちゃみたいなシンク、数個だけ並ぶカップ、ミニコンロ、ジュースしか入っていない冷蔵庫。必要最低限のものしかないこのキッチンカウンターは、そのコンパクトさがとっても好きだったけれど、それは横から眺めているからいいのであって、主人になるのは勘弁してほしかった。