風をきって進むのには今日は寒すぎて、およそ爽快というものとは遠かったけどマフラーでぐるぐる巻きにした顔はおそらく笑っていたはず。
静かな昼下がり、人とほとんどすれ違わないこの通り、猫だけが塀の上からチラッと見てくる、そして、小さな春がところどころに咲いている。
大好きなベーカリーに着いた。パンでなく、いちごのショートケーキを買った。初めて。そしてそのまま店の前のベンチで食べることにした(しかしケーキを椅子だけで食べるのは難しい)。
あれも食べたいな、うん、これも食べたい、おいしそうなものがずらーっと並ぶショーケースをケーキを頬張りながら眺めていたわたしは、さて、どんなに食いしん坊に見えただろう。