
新しい景色に飛び込む;
その扉はけっこう大きくて、とても開きそうにはなかったのですが、開けてみずにはいられなかったのですね。
というのも、その向こうでなにか聞こえた気がしたから。
それはほんと…、
微かなものだったのですけれど…。
ただ、いざ、その扉を開けようとしたら、それはそれはものすごく力が入りました。
もう、重いのなんのって…。
それでもね、なんとか開いたんです。それは。ね。
ありったけの力を受けてね、扉もね。
で、その向こうはどうなってたかというと…、
まあ…よくある話なんですが…、
扉の向こうにはね、
… 海が、広がってたんですね。
そう、波打つ、海が。
その日はあまりにも寒かったので、
このままこの景色をじっと眺めていられることなんてできるのかなあ?
なんて思ったんですけど…。
それでもね、吹き荒ぶ風に震えながらね、
砂浜へ一歩踏み出してみたんです。
ザクッと。