机の上に散らかっている作業がひと段落ついたので、椅子から立ち上がり、棚の上に置いてあるポットから熱いお茶をカップに注いだ。そしてその横のアンティークの小さな皿に並ぶチョコレートをひとかけら手に取った。チョコレートはココナッツシュガーの甘さ。それ以外は限りなくビター。カップのお茶をひと口飲む。今朝作ったブレンドは草の風味がやや強めで、ふっと身体を鮮やかにした。それはちょうど今の季節のような。お茶とチョコレートで少し緩んだらそのままソファに倒れ込む。新しくカバーを夏用に替えた。触れるとその張りに嬉しくなる。オレンジ色に変わりつつある光とちょうど気持ちのいい程度の風、教会の鐘が、時計のないこの部屋に時間を知らせてくれる。