喉が変だと思っていたら、少し咳が出だした。じきに頭がぼーっとなり、耳の付け根も痛くなる。本を数冊抱え込んで毛布に包まり読み出すものの、すぐに眠くなり目を瞑る。うたた寝。ほんの短い夢。いつもの森に新しい道を見つけた。蝶に案内されるまま、しっとりとした土を踏みしめ、少し草をかき分け進む。まだ暑くなる前の緑の匂い。深い空気。ふいに小さな池が現れた。湧き水がこんこんと溢れているのが水の動きでわかる。そっと手をつけ、その感触を自分の中に沁み渡らせる。そして入れ替えにわたしの違和感を明け渡す。
喉が変だと思っていたら、少し咳が出だした。じきに頭がぼーっとなり、耳の付け根も痛くなる。本を数冊抱え込んで毛布に包まり読み出すものの、すぐに眠くなり目を瞑る。うたた寝。ほんの短い夢。いつもの森に新しい道を見つけた。蝶に案内されるまま、しっとりとした土を踏みしめ、少し草をかき分け進む。まだ暑くなる前の緑の匂い。深い空気。ふいに小さな池が現れた。湧き水がこんこんと溢れているのが水の動きでわかる。そっと手をつけ、その感触を自分の中に沁み渡らせる。そして入れ替えにわたしの違和感を明け渡す。