books on the chair

「蒼い木」の小さな小さな新芽から満月の日にだけしたたり落ちるしずく、その生態が描かれた本。涙が止まらない時、そのしずくを1つぶ目に落とす。すると一瞬にして水の風船が自分の周りに出来上がり、その風船の生暖かい水の中、自分が泣いているのかどうかわからなくなる。

堅く冷たい岩とずっと沸き立っている湖しかない国の写真集は、小さな飛び回る妖精や、もう少し不気味な風貌の精霊、よくわからない動物も載っていて、まだまだ会ったことのない存在もたくさんいるのだと思わせられる。

知らない言語で書かれた本。意味のわからない言葉は、美しい記号や形の羅列となって新たな意味を持ち、色すらその付加価値となる。それは木の枝を並べて描かれたり、羊の毛の糸を編み込んで表現されたり。言葉としての意味はわからずとも、それ以上の意味を与えてくれる。

伝書鳩の日記。日記は普段あまり読まないが、この伝書鳩のものは別。伝書鳩は一定のところに行くものだと思っていたが、たまにそうでない鳩もいるらしい。この日記の鳩は便りを届ける相手が次々に変わっていった。世界中をあちこち巡り、また時々次元も飛び越えた。様々な相手とエピソード。豊富な経験により鳩はどんどん変わっていく。面白いのは経験でない、その変化。