雪原に光る青い粒

青い本の上に転がる青い粒。
青の裁縫箱の中にしまわれている。
青い糸に青いハサミ、青いピンクッションと青いボタン…。

この部屋は北向きなので太陽の動きがはっきりわかるような他と違い、一日中同じようなゆるい明るさ。窓から見える景色は大きな川と川の向こう岸、ずいぶん遠くに見える建物。毎日のように誰かが川遊びをする。

北向きの窓からの柔らかい光を感じながら眺めるモノたちはうっすらと影があり、そして彼らはいつも何か語りたそうにしている。

夏と違い冬は夕暮れもそれほど色づかない。
空がピンク一色になるのは空気の中にたくさんの水の粒を含んだ暑い季節。
今の時期はあっという間に真っ暗になる。