blue bottles

古い虫眼鏡でのぞいてみた景色は、知っているような知らないような、でも昔確かにいた場所でした。ずいぶんと忘れていることが多く、思い出すのにあちこち歩いたりしてみました。懐かしい人はおらず、暖かい家もありませんでした。

“あの小さなマカロン屋さんはいつからあるのだろう?”
“お店の中に赤ちゃんがいるね”
“いつでもマカロンが食べられるなんてなんて贅沢なの!”

わたしは淡いグリーンのマカロンにするわ、そう思って、店の扉をぐいと押しました。