after dark

冬の入り口に、もうすぐ大嵐がやってくると聞いたから、わたしは街を離れることにした。小さなカバンに荷物を詰めて、真夜中の列車に飛び乗った。慣れない土地と、慣れない日々。今度こそ冬はもう終わらないのではないかと思えたけれど、そんなことはない、春はきちんとやってくる。
久しぶりに帰ってきた家は、春に満ちていた。「あなたが家を開けている間に、新しい住人が増えてるよ」と管理人さんに言われた。