20250314

まだ浮かんでいるウォーリードール

誰かが来るのを待って、彼はもう何度も冬を越した。
ある頃よく語り合っていた魚はとうの昔にいなくなってしまったし、ある時抱えていた悩みはなんだったか忘れてしまった。
今日の満月はいったい何回目、ほんとうに誰かここに来るのだろうか。
待ちくたびれたかどうかもわからなくて、そもそも今ここはどこなのかもわからなくて。
人が周りにいる感じはするのだけれど。